マーチンゲール(martingale)とは、もともと18世紀のフランスで流行していた賭け方の一種で、現在はカジノやEAの手法として使われています。
これらの賭け方の中で最も単純なものは、コインが表に出れば賭け金を勝ち、裏に出れば賭け金を失うというゲームのために考案されたものです。
この戦略では、ギャンブラーは負けるたびに賭け金を2倍にして、最初の勝利でそれまでの損失をすべて取り返し、元の賭け金と同額の利益を得ることができるようにするものです。
上記のコインゲームを例にとると、最初に1枚を賭けて負ける(–1)、次に倍の2枚を賭けて負ける(–1–2)、次にさらに倍の4枚を賭けて負ける(–1–2–4)、次にまた倍の8枚を賭けて勝ったとすると、(–1–2–4+8)=+1となり、理論上では1勝3敗にも関わらずプラスという結果になります。
似た手法にナンピンがあります。

FXにおけるマーチンゲール法の使用例
このマーチンゲールの手法がEAでどのように使われているかを示したのが次の表です。

110円で1ロット(10,000通貨)をロングし、1円(100pips)下がるごとにマーチゲール法で倍のロットをロングしていきます。
これを105円まで続けたとすると、110円から5円(500pips)も下落したにも関わらず、わずか9銭(90pips)の反発で損益分岐点に達する計算になります。

もし、これが元の110円まで戻れば莫大な利益となります。もし戻ればですが。
また、上の表のように105円で反発するとは限りません。
実際にコロナによる暴落相場では、間で多少の反発はあったものの、短期間で112円から101円まで下落しています。
マーチンゲールを採用しているEA
この様に非常にリスクの高いマーチンゲールですが、採用しているEAは多数存在します。
なぜならとても見栄えが良いからです。
次の画像はゴゴジャンで人気の※ 稼KING GBPJPYというEAの収益額ですが、実に見事な右肩上がりです。※厳密には増えるロット数が倍では無いタイプ

それでは、次に含み損を表示させてみます。

オレンジの線が「収益+当日最大含み損益」です。
つまり表示されている部分では398,903円-240,160円、最大158,743円の含み損を抱えていたことが分かります。
ただし、この後に相場が反転することでマーチンゲールが効果を発揮して含み損は収益に変わりました。

マーチンゲールは諸刃の剣と言える危険な手法です。
マーチンゲールが搭載されたEAを使うには細心の注意が必要です。


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